パリ=ドゴール空港ターミナル2F→2Gはシェンゲン圏のため保安検査不要

【パリ=ドゴール空港ターミナル2F→2G乗継は保安検査不要】
【アムステルダム=スキポール空港は想像を絶する広大さ】
・パリ=ドゴール空港(CDG)ターミナル2Fから2Gへの乗継には入国審査や手荷物保安検査がなく面倒がない。
・ターミナル2Fから2Gへの移動は空港ゲート内のシャトルバスが必要。待ち時間を入れると20分ほどかかる。
・ターミナル2Fから2Gへの移動にセキュリティチェックが無いのは直前に出国した空港で一回審査を受けているためで、シェンゲン協定の恩恵。
・日本人向け情報は日本から直接到着する2Eゲートを始点として2Fや2Gに向かうものが多く(この場合は一旦EUへの入国審査がある)今回の2Fから2Gというケースについては見つけられなかった。
・アムステルダム=スキポール空港(AMS)、パリ=ドゴール空港ともに日本人には想像を絶する広大さ。

当ケースが今後誰かの役に立ったりするかもしれないと思い記録することとした。

今回、成田からクロアチア・ザグレブへ向かう往路で乗継の航空機に間に合わず、オランダ・アムステルダム=スキポール空港で取り残され途方に暮れると云う不測の事態に見舞われた。

ザグレブへは日本から直行便がなく、今回アムステルダム空港(AMS)で乗り換えをすることになっていたのだが、到着直後の機内に急病人が発生し、降りるのに30分を要してしまったからだ。

トランジットに残り一時間しか猶予のなかった自分は大慌てでEUへの入国審査を受けザグレブへ向かう便のゲートに走ったのだが時既に遅し。
時間に厳しいKLMオランダ航空便は私を置いて出発してしまっていた。

一時間あれば何とかなったのではと大半の方は思われたかもしれない。
しかしながらアムステルダム空港はEU入国審査が特に厳しく想定外に時間を要したのと、また、日本人には想像を絶するほど広大、端から端までの徒歩移動に優は3-40分かかるといった背景があり、今回の事態を招いてしまった。
羽田や関空等、比較にならないほどの広さなのだ。

そういうことで、私は遠い異国の地で途方に暮れる事態を経験することになった。

愕然として向かった旅行者相談窓口(T2)で事情を説明するも、当初は「航空会社の責任ではない」の一点張り。
それでも、急病人を待つのは倫理上やむを得ないではないかとの主張が受け入れられ、ようやく代替のチケットを発行してもらう。
しかしなんと便は翌朝(九時間後)!
しかもパリ経由。乗継猶予はパリで三時間!

チケットを受け取り、翌朝までどう過ごすか思案。
すでに深夜近くなっていることに気づき(白夜のため深夜まで暗くならない)、ひとまず喉を潤そうと売店へ。
水とジュースを一本ずつ買う。
しめて9.05€、日本円にして約1600円!
空港価格とは云えオランダの物価すさまじい。

ということで空港内とは云え生まれて初めてのオランダ。
思いがけずここで夜明かしをすることになり、泣きそうな思いで今度はパリでの乗継について情報収集へと進む。

まずはザグレブのホテルへ事情を説明。
一日待ってもらうことの了承を得る。

いよいよ失敗できないことを自分に言い聞かせ、運良く使用できたwi-fi を頼りにあちこちのページを調べる。
(ちなみにEU地域からYahoo Japanへはアクセスできません)
そして分かったのは「全ての日本人向けネット情報が日本から直接パリに着いて別便へ乗り継ぐ場合」に限ると云うことだった。
他国から他国というパターンの情報は自分が調べた限りではゼロ。
そういう人は旅慣れているから情報不要ということなのだろう。

ところでもう一つ不安材料が発生。
代替え便について念のため調べたところ、ザグレブへのパリ=ドゴール空港からの乗継便はターミナル2Gからの出発。この「ターミナル2G」が厄介で、多くの人が混乱するらしく、到着する2Fからのアクセスにはシャトルバスが必要等、難関が多そう。
おまけに手荷物検査等があるのかないのかこの時点の自分には不明で、要する時間の目処も付かない。こうなったら、明朝、パリで頭をフル回転させて乗り切るしかない!

決心して一眠りすることにした。

と云っても、寝過ごす訳にいかないからほとんど眠れなかったのだが…。

明け方近くなり、出発ゲート近くへ移動。
登場開始を待っていよいよパリへ。

ということで、長くなったので今回は一旦終了。
次回へ。

集合住宅Rakete及びその周辺


今回ザグレブまで足を運んだ二つ目の理由
それは現地の集合住宅を観たかったこと。
旧共産圏だからこその集合住宅デザインを観たかった。
結果、デザインの素晴らしさは期待どおりとしてとても興味深い事も併せて分かった。

日本の団地風景と共通点も多かった。

食料品店は中央広場や近隣に隣接する。
この日は祭日だったため何処も閉店していたが(カトリック国では日祭日に商店は閉まることが多い)
日本の大規模集合住宅の構造と似ているのが分かった。
一方で、利便性を考えれば国は関係なく当然かもしれない。
収益性を考えても当然でここ以外もこうしたケースが多かった。

また、こうした建物群は1960-70年代にかけて建築ラッシュを迎えたため現在老朽化が起きている。
大規模修繕を行なってる建物もちらほら見かける。
住民の高齢化も併せて起きているように見えた。
これも日本の都市部と同様の現象だ。

建物と建物の隙間には子供たちが遊べるように公園があるのも興味深かった。
遊具が設置されているも老朽化もところどころ起きておりこれも日本と同様。

こうして歩いていると東京の郊外や名古屋辺りにいるような不思議な錯覚に陥った。
全くの異国なのに不思議だった。

ただ、やはりカフェ文化があるため一階部分にカフェを併設してる建物も多く
老若男女がゆったりとした時間を過ごされていた。
こういう風景はあまり日本になく真似できたら需要もありそうだなと思われた。

因みに写真の集合住宅はRaketeという名の施設。
Vjenceslav Richter (ヴェンツェスラヴ・リヒター)という有名なアーティストのデザイン。
三本の建物のコントラストが美しかった。
Vjenceslav Richter氏の芸術作品はザグレブ市内の美術館でも展示されているそう。

ザグレブの集合住宅群はどれも美しかった。

クロアチア共和国モスラヴィナ人民革命記念碑

 
思うところがあり、旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国、現クロアチア共和国首都ザグレブと郊外を訪ねた。
とても素晴らしかった。
 
誤解を受けやすいが、もともとイデオロギー的に深く関心がある訳ではない。もっとシンプルに東欧の旧共産圏、旧ユーゴスラビアやブルガリア周辺のバルカン半島の町なみや建築、造形にここ数年惹かれている。
そもそもは従来から好きだった日本の団地や給水塔と似た匂いを感じるところが発端かもしれない。
コンクリートで、無機質で、近未来的な「あの匂い」に何故かとても惹かれていた。
 
日本という国は不思議で、表向きはもちろん標榜してないはずが、様々な面で社会主義国、全体主義国的な雰囲気を持っていると思っている。良くも悪くも国民性だったり、行政構造だったり、美的センスだったり、建築様式だったり。本来日本は立憲君主制に近いはずなのにとても興味深い。
 
もちろんそうした雰囲気は戦後革新系の空気が作ったそれほど古くない文化なのかもしれない。それでも、旧共産圏の国々の持つ空気と重なるものが我が国には少なくない。団地や給水塔や炭鉱、人気の軍艦島、工場夜景などはその典型で、今では多くの日本人にとってノスタルジアをくすぐる存在ですらある。本当に不思議だ。
 
そうした背景の中、特に気になっていたのが旧ユーゴスラビア、クロアチア共和国の周辺の建築や造形。特にspomenik と呼ばれる記念碑群が気になっており、「モスラヴィナ人民革命記念碑」は自分にとって特筆する存在だった。
三年前あたりだったか、旧共産圏の建物について調べてるうちにその存在を知り、最初、その姿に衝撃を覚えた。こうした凄まじい造形物が世の中にあるのかと思った。
独裁者として知られながら、国民たちからはすこぶる愛されるという一面を持った当時のチトー大統領。犠牲となったパルチザンたちへの慰霊を込め作った墓標であり、祈念碑。とにかくずっと気になっていた。そしてこの目で、自分の目で見てみたいと強く思うようになっていった。
 
そうしたうち、本気で現地へ行ってみようと言う気になった。
衝動かもしれない。その後しばらくして航空機のチケットを押さえ、無理言って休みを確保し、ホテルを手配した。レンタカーを借りることを考えたが、満足に言葉も遣えず、また、現地で困ると思って今回はガイドの方をお願いした。運よく親切な方に知り合え、交通手段も手配いただけた。あとは行くだけだった。
 
2025年6月某日 朝。
旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国
現クロアチア共和国、ザグレブ郊外、ポドガリッチ。
モスラヴィナ人民革命記念碑。
歴史に失礼にならないよう、花を携え、手を合わせた。
 
私たちの他に人の姿はなく、とても静かな場所だった。
本当に来たんだという、現実味のあるようなないような不思議な気持ちがした。
記憶になってからリアルを感じるパターンになると思った。
素晴らしい場所を訪れたのだなと思った。
しばし佇んで写真を撮った。
 
案の定、このときの余韻は
帰国したいまでも残っている。

新作短篇映画「団地リユニオン」公開

短篇映画新作「団地リユニオン」(10分)初公開します!
このところ小泉今日子さん小林聡美さんのドラマ「団地のふたり」がヒットするなど、密かな団地ブームが起きている気配ですが、これに先駆けること2020年に撮影した本作、4年の月日を経てついに公開します。
公開までに4年?5年?もかかってしまいました。
ここ数年はコロナ禍だったこともあり、一応は医療を生業とする私としては公的に創作活動がしづらい状況にありました。
いくら活動時も感染防止に努めていると言っても、医療従事者にそうしたことは許されづらい環境にあったことは皆様容易に想像いただけるのではないかと思います。
そんなわけで、せっかくほたるさんや松緯理湖さん、河名麻衣さんが出演、大好きなピアニストでバイオリニストの語り音さんが音楽を作ってしてくださった作品なのになかなか公開できなかったのはどうにもはがゆいものでした。
しかも、私がここ数年愛してやまない「高度成長期に建てられた団地たち」を舞台にした映画でしたから、なおさら。
しかしながら、もうそろそろいいかな?という雰囲気にもなってきましたし、思い切って公開の決断をしたところであります。
とはいうものの、すっかり映画制作モードから遠ざかり、何年も一般の勤め人生活を過ごしてしまった私ですから、こうしたことにどうにも勘が鈍って困っていました。上映会ってどうやってやるんだっけ?と、そんな、だいぶ残念な状況。
でも、有難いことに年明け公開が決まった映画「橋と眠る」の制作仲間たちや大勢の方々から応援の声もいただいて、ついに重い腰を上げることができました。
会場は阿佐ヶ谷JAMBJAMB。
オーナーのマリさんが快くお貸しくださいました。
やると決めたからには頑張ります!
ほたるさんたち出演陣、音楽の語り音さん、またしても撮影をしてくれた都立板高映研時代の仲間宮原氏みんな当日は忙しいところスケジュールを調整して来てくださるそうです。
今度の映画「橋と眠る」で音楽を作ってくれたawakeさんも駆けつけてくださることになりました。
また、今回の映画「団地リユニオン」は10分の短篇なので他の旧作も何本か上映します。ほたるさんたちのトークショーや、「橋と眠る」の予告篇上映やawakeさんのミニライブもあります。
たのしい1時間少しのイベントにします。
どうか皆様、年明け1/18(土)はよろしくお願いいたします!
—————————
2025年1月18日(土)阿佐谷JAMBJAMBにて初公開!
開場14:30 開演15:00
Charge ¥1,500 + 一つ以上のオーダーをお願いします
東京幻想倶楽部旧作を数本上映(何を上映するかは目下考え中)のあと本編(10分)上映!
上映終了後トークショーあり
ゲスト(予定) ほたる、awake、語り音
2025年1月24日(金)から30(木)Morc阿佐ヶ谷で上映予定の映画「橋と眠る」の告知とシンガーソングライターawakeさんのミニライブも!
短篇映画「団地リユニオン」(10分)
あらすじ:取り壊しの決まった都内某所の大きな団地。ある姉妹が、最後のお別れに、と誰もいなくなった敷地に訪れた。転居してから二十年。思い出の地を散歩しようと歩き出す二人。そんなとき、かつてこの団地で、かくれんぼの最中に行方不明になってしまった「まいちゃん」のエピソードを思い出す。「おねえちゃん、かくれんぼ、しよっか」と言い出した妹。振り返ると妹が消えていた。驚いて走り出す姉…。
高度経済成長期に建てられ、最近では次々に姿を消していく巨大団地を舞台に、ほんのちょっぴりミステリー仕立てにしたノスタルジックなストーリーをどうかおたのしみください。
 
出演 ほたる 松緯理湖 河名麻衣
撮影 宮原恒信 土屋明子(五人組)
音楽 語り音
制作 Filmaquism
脚本・監督 麿(東京幻想倶楽部)
※ お越しいただける場合は麿まで事前にご一報いただけるとありがたいです

シンガーソングライターawakeさんのMusicVideo「跨線橋」を担当しました。

前回の更新から2年が過ぎていたことに驚きを隠せません。
たいへんご無沙汰しておりました。
ここ数年関わらせていただいているミュージックビデオ第三弾として
シンガーソングライターawakeさんのミュージックビデオを撮らせていただきました。
解体が予定されている三鷹跨線人道橋を題材にした年明け公開の映画「橋と眠る」の主題歌です。
awakeさんのギターと歌声が風景と重なり合って、とても遣り甲斐のある一本になりました。
ぜひご覧ください。

 

1 2 3 8